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「まだコッチがむずむずする……」
と、不二山が言った。先輩たちが仕込んだ潤滑剤に何か興奮を促すようなものが入っていたのかもしれない。
 つまり誘ったのは不二山だ。
 それにしても、嫌がらせのように下着ごと膝まで脱がされた瞬間、火が着いたように堪え性なく覆いかぶさってしまったのは新名の方だ。
「…ッ、ん…新名…っ……もっとゆっくり……」
「……無、理…っ……マジやべぇ…っ」
 壁に背中を預けたままの不二山の脚を抱えるように折り曲げ、掘り下げるように何度も穿つ。
「んぁ…、っ…新名……」
「やっ、べぇ…マジ気持ちイイって…」
 パーカーの両襟近くをこのまま巴投げでもされそうなぐらいギュッと握られ、新名も負けじと腰を抱く。
(……あー、チューしてぇな……)
 ダメかな…? と不二山を見下ろしたら、目が合ってパッと反らされた。
(嵐さんもオレ見てた……! )
 今さら、視線が合っただけでドキドキする。
 酸素が足りなさそうにハフハフと口呼吸をしている唇を目の前に、これまた酸素の足りていない頭で決断を下した。
(……いいや! 後で怒られたらその時はその時っ )
「……嵐さん、っ」
「……ん」
 両手が塞がっているので額同士をくっつけクイッと押して少し顔を仰向かせると、不二山が何か言う前に唇を塞ぐ。抵抗はされなくても無反応かもしれないと思っていたのに、それまで服を握っていた不二山の手が、応えるように背中と首に回されて腰が震えた。
 
 
 
(…………嵐さんとやっちゃった……)
 マジかよ……、と不二山に背中を抱かれ、腰を抱いたまま壁に頭を預けて深呼吸した。しかし不思議と後悔はしていない。
「溜息ついてんじゃねえよ」
「いや、ちげーし」
「ていうか、離れろ」
「なんだよ、そっちこそその態度」
 背中に回していた手が離れ、急に胸を押されてむしろ新名は傷ついた。
「じゃねぇと……付くぞ、服に……」
「え、あっ」
 不二山の腹には、最初に不二山の出した分、さっき不二山が出したのと新名が外に出した分がべったり付着していたのだ。
「別に付いても拭きゃいいだけだし……今日もう部活だけだし……って、食堂行ったら目立つか」
 何となく離れがたくてブツブツ文句を言いながら袖を捲ったら、不二山が「上脱いどけば」と言った。
「え、今さらなんで」
「なんだ、もう終わりなのか? 」
「……っ」
「さっき『覚えとけ』って言っただろ」
 胸倉をグイッと引き寄せられパーカーのジッパーを下ろされて、新名は抜け出せない甘い罠にはまったことに気がついたのだった。
 

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